スヘロニア

829日から9日間、スベロニア共和国とクロアチアを回ってきた。ユーゴスロビア連邦の崩壊とともに独立した国。首都はリュブリャナ。人口は200万人だ。スロベニアはオーストリアに接しており、旧社会主義国とは思えない豊かな国のように思えた。一人あたりGDP(26,784ドル世界31)2004年にEUに加盟し、通貨は2007年からユーロを導入している。

観光地のブラッド市は日本でいえば箱根のような町で、その中心に位置するブラッド湖を高い山々が取り囲んでいる。湖水は芦ノ湖よりきれいで、山々は富士山より荒々しい。近くには、奥行き24Km世界自然遺産ポストイナ鍾乳洞がある。その規模の大きさは筆舌に尽くしがたく、山口県秋芳洞の巨大版といっていい。

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クロアチア

食べることと飲むこととダイエットが趣味の私の好みでいえば、クロアチアの方が魅力的だ。クロアチアはスベロニアとハンガリーの南、西にはアドリア海を挟んでイタリアと向かい合っている。1991年から1995年に戦闘が終結するまでに多数の犠牲者と難民を生み出した。いまでも道路沿いには無数の銃弾の跡が残る家々が点在している。

気候は温暖。人口は440万人、一人当たりGDP15,636ドル。公用語はクロアチア語。英語を話す人は多く、公園で遊んでいる子供も英語をしゃべるほどだ。

 

世界遺産

この国は世界遺産の宝庫でもある。

圧巻なのは1974年に登録されたドゥブロヴニク旧市街だ。ヨーロッパではよくみられる城壁の町で、ちょうどイタリアのシエナとベネチアを足して割ったような魅力的な街だ。

この町の起源は古くローマ帝国時代とされている。11世紀頃からヴェネツィア共和国の影響下で発展し、1358年ヴェネツィアの影響から離れラグーサ共和国として自立するようになった。15世紀にオスマン帝国の進出にもかかわらずその宗主権を認めさせ、ヴェネツィアがオスマン帝国と度々戦争状態に入ると、かつてヴェネツィアが独占的に果たしていたアドリア海交易での役割をより確かなものとした。15世紀~16世紀に最盛期を迎えた後、1667年の大地震により衰退の道をたどる。

 

ドブロクニクに限らず、クロアチアの海に面した町は物価が安く治安もいいということで、ヨーロッパ各地から大勢の観光客でごった返している。部屋を借りて何日も滞在するのだ。

食事代は、飲んで食べて一人34千円。高そうに思えるかもしれないが、これだけのハイレベルの料理をイタリアで食べればこの34割増はするだろう。

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ローマ皇帝ディオクレティアヌスが引退後余生を送ったとされるスプリトの歴史的建造物群 1979年)。ここは、ドブロクニクをふた回りほど小さくした海に面した城壁の町だ。長期滞在するには、こちらの方がいいかもしれない。

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古都トロギル(1997年)は紀元前3世紀にギリシャ人植民者により作られた出島だ。15分も歩けば町の端から端まで歩ける。だが、この小ささが街の魅力でもあるようで観光客でごった返していた。

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この国には他にも、ポレッチ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教建造物群 1997年)シベニクの聖ヤコブ大聖堂(2000年)、スタリー・グラード平原(2008年)がある。

さらに、世界自然遺産としてプリトヴィツェ湖群国立公園(1979年)が登録されている。ここは日本の尾瀬に似ていないでもない。いくつもの湖の周りを気軽にトレッキングできるように整備されていて、ここも世界中の観光客でいっぱいだった。国立公園内には国立のホテルだけが営業していた。ニュージーランドのマウントクック国立公園と同じだが、日本もこうした国立公園があってもいい。

 

ワイン

世の中には知らないことが多いと、つくづく思わずにはいられなかった。ワインといえば、フランスとイタリアと相場は決まっていて、他に挙げるとしても、カリフォルニア、スペイン、チリ、南アで、クロアチアなどおいしいワインなどあろうはずがない、と思い込んでいた。ネットで検索してみた。大したことは書かれていなかった。

 

ところがである。クロアチアに行ったことがあるというワイン好きの医師が「プラーヴァッツ・マリは最高ですよ」というのだ。「ブドウの品種で、まだまだ生産者は少ないんですが、コストパフォーマンスは群を抜いています。1万円のボルドーワインくらいのレベルなら三千円も出せば買えますよ」と教えてくれた。そこで、ワイン辞典を調べてみた。

 

そこには、アドリア海沿岸の島々では紀元前4世紀頃に葡萄を植えワインを作り始めたと書かれていた。代表生産地は、アドリア海の島々とドゥブロブニク の北側のぺリェシャツ半島。道路と平行に横たわる半島だ。ここの主要な品種はプラーヴァッツ・マリ。これはカリフォルニアで多く作られているジンファンデルと同じだという。今回買ってきたのは次の4本。現地で飲んだのディンガッチのプラーヴァッツ・マリは13000円もしないのにもかかわらず、その香といい、味といい、ボディといい、ボルドーやピエモンテの最高級品に比肩する味わいだった。

 

クロアチアワインは間違いなくブームになる予感がする。